2008-06-15

ノールフィヨルド

今日から一週間ノールフィヨルド(Nordfjordeid)で開かれるサマースクール「幾何学における群作用と表現論」に参加する。Nordfjordeidはノルウェーの西海岸に位置する小さな町でリー環・リー群で有名なSophus Lieの生まれた町である。

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サマースクールの会場はSophus Lie Conference Center。飛行機で行けばオスロから1時間半だが、周囲の景色が美しくバスで行く方が窓からの景色を楽しめると聞いたので、オスロ大学の友人たちと一緒に10時間かけてバスで行く事にした。長旅になるので朝一時間ほど早く起きて弁当を準備した。初めてだったが、なんとかそれっぽく完成。朝9時半にオスロバスターミナルを出発。車内にトイレがあるかどうかだけが不安だったが、あることが分かりホッとする。車内でR先生の学生Christianが横に座っても良いかと聞いてきたのでOKすると嬉しそうに席を移ってきた。旅の間彼に変形理論を教えてあげる代わりにノルウェー語を教えてもらう約束をする。会話に夢中になっているうちにバスはオスロ市内を出て、気がつくとあたりには長閑な田園風景が広がっていた。天気も良く気持ちの良い青空のもとバスは軽快に進んで行く。途中牛や馬が放牧されている牧場があった。R先生の学生のAndreaは研究を始める以前にNordfjordeidの牧場で半年間働いていた経験があり、彼女から牧場での暮らしや、牛や馬の世話についていろいろ教えてもらった。
Christianは問題を解くのが好きで、ネットから数学の問題を探してきては暇な時に我々に出題する。今回もバスの中で彼の問題を一緒に考えた。彼は頭の回転が早いみたいで私が出したいくつかの問題をあっという間に解いてしまった。問題を解いたりしているうちに5時間が経過し、昼食休憩になった。外の空気を吸ったおかげで少し元気が出る。再び目的地に向かって出発。出発から7時間が経過したあたりで、山岳地帯に入る。内陸の為に山の高い所にはまだ雪が残っている。途中ところどころに大きな湖があり、バスはその縁に沿うように進んだ。湖には光の反射により山の形が正確に映し出され、まるでもう一つの山が存在するかのようである。北欧の大自然が作り出した美しい景色にすっかり魅せられ、車内から写真をとり続けた。山々のたたずまいは荘厳で気高く、犯しがたい威厳のようなものすら感じる。まだまだ紹介したい写真がいくつもあるので、このページに置いておく。良かったら見て頂きたい。バスの旅はそれからもまだ続き、夕方7時ごろに会場のセンターに到着。荷物を部屋に置いて、夕食の会場に行くと、ノルウェー料理が用意されていた。Oslo以外の他の大学Bergen, Tromso, Trondheimの学生さん達も合流し賑やかな夕食。センターにはいくつかのスポーツ施設がある。夕食後若い参加者同士でサッカーをすることになった。芝生のサッカーコートで4対4に分かれてミニゲームを楽しんだ。若者はさすがに体力がある。私は序盤から早くもバテバテ。それでもなんとか2点シュートを決めて、日本代表(?)としての責任は果たす。念入りにストレッチをしたおかげで大した怪我もなくて済んだのは良かった。