先月末にこちらの税務署(Skatte Øst)から税金納付に関する通知が届いた。文面は全てノルウェー語だった為に詳しい内容はわかり兼ねたが、どうやら私の奨学金の25%を税金として納付せよと書いてあるようであった。以前ノルウェーで支給される奨学金は、基本的に課税対象にはならないと聞いていたので、すぐに奨学金の支給先に問い合わせ、税務署に直接連絡を取ってもらうようお願いした。担当の方は私の為に交渉してみるが、結果に関しては予測不可能であり、保証できないとの返事をされた。今日その結果と思われる通知が再び税務署から届いた。結果は大幅に減額されたものの、
やはり奨学金からかなりの額を税金として収めよとの通知だ。
最初の通知以来、気になったので何人かの大学院生に収入に対する税金の割合について聞いてみた。博士課程の大学院生の場合は、通常奨学金(教育にも関わるので一部は
給料扱い)の中から30%以上の割合の額を税金として支払うようである。こちらの奨学金は日本の奨学金と異なり、給料に近い扱いらしい。その代わり日本のように奨学金の返還義務が無いことは言うまでもない。これらの背景を考えると、私に対する税金の請求額も無理は無い気がしてきた。
この国の充実した社会福祉、医療、教育制度は国民の支払う高い税金によって支えられている。ほとんどの商品には通常11〜25%の付加価値税(VAT, 消費税に相当)が課せられている。所得税に関しても、一般会社員の場合収入の45%~50%を税金で取られる。「税金で収入の半分近くが消えてしまう」というのは事実のようだ。若いカップルや夫婦はほとんど貯金をすることができない。貯金ができなくとも、将来への不安が無いのは何故か?それは医療や教育がほぼタダだからだ。日本人のように将来に備えて貯金をする必要が無い。しかしそれには良い面もあれば悪い面もある。病気に対する備えはいらないものの、病院で診察を受けるためには予約を入れた後に通常約1週間程待たなければならない。命に関わる病気・怪我でない限りこのルールは適用される。驚くべき事に打撲や骨折のような激しい痛みを伴う怪我でも例外ではないようだ。国が異なれば、ルールも習慣も異なるのが常だが、ノルウェーは日本と全く異なる考え方・仕組みに基づいて人々が動いていることに驚かされる。
追記&訂正(7月1日): 税務署からの請求額は国民健康保険料(trygdeavgift)に関するものであった。こちらの国民健康保険は強制加入であり、一般に保険料は所得税と一緒に税請求書において給料から引かれる。請求書には所得税と保険料の合計金額(とその所得に対する割合)が記載されている。私がノルウェー語を良く理解しない為に、それが奨学金に対する税だと誤解した。奨学金給付機関の担当者の方がLikningskontoretに手紙で良く説明して下さったおかげで、奨学金は控除の対象として認められた。
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