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2013-03-02

Norwegian Porridge

本日は午後からホストの教授の自宅にご招待を受けました。教授の家のあるNesoddenへは、Aker Bryggeから601番のフェリーに乗ってNesoddtangenで降ります。フェリーと言っても20分ほどの短い航路です。昨日に引き続き天候にも恵まれ、フェリーの甲板に出ても、それほど寒さを感じませんでした。前回のときと同様に、先生自ら車で迎えに来て頂きました。

ご自宅では見事な料理でもてなして頂き、おかげさまで大変楽しい時間を過ごしました。中でもサワークリームをたっぷり使ったポーリッジ(Porridge)という料理をボール一杯に用意して頂き、美味しく頂きました。

ノルウェーではとある夏の行事を祝うために、この伝統的な料理を食べるとのこと。Kleiman教授の60(70?)を祝う研究集会がノルウェーで開かれた際に、今日と全く一緒の料理を召し上がったとそうで、何とも光栄な話です。

夜遅くまで研究の話を交えながら、会話を楽しんでいたらあっという間に8時が過ぎ、教授に再びフェリーの発着所まで送って頂いて、帰途につきました。今日の失敗は、携帯を忘れてきたことです。最近の自分のそそっかしさは際立っているように感じます。物忘れが激しく、妻からは初老同様の扱いを受けています。しばらくは携帯無しで過ごすことになりそうです。海外だから余り使わないし、特に支障は無いかな。

2008-09-15

Bergen

今日の代数・代○幾○セミナーはオスロ大学のP先生が講演された。凸体に余次数という"有理数"不変量を定義し、余次数の大きな凸体を特徴づけるという問題を考えておられた。今週は凸体の幾何的側面から話を進められたが、来週は今日の続きを代○幾○的側面から(即ちトーリック多様体の言葉で)講演される予定だ。今日の講演が面白かったので、来週もセミナーに出席したいのだけど、私は別の予定が入っており出席できない。残念。

いよいよ滞在も残りわずかとなったので、来週はベルゲン(Bergen)に旅行する予定だ。


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ベルゲンはノルウェー第2の都市。北に広がるフィヨルドへの玄関口として観光客にも人気の街だ。特にオスロからベルゲンを結ぶ鉄道(通称ベルゲン鉄道)は、車窓から雄大なノルウェーの自然を体感できるとあって、評判である。前々から行きたいと思って計画を練っていたのだけど、結局帰国間際になってようやく行くことを決めた。純粋に観光を楽しむというのでも、もちろん良かったのだけど、せっかくだからベルゲン大学の代○幾○学セミナーで発表をし、研究の話を聞いて頂くことにした。来週月曜の朝早くオスロを出発し、ベルゲン急行で約6〜7時間かけてベルゲンまで行く予定。火曜は一日観光して、水曜の午前中にセミナーで話し、同日飛行機でオスロに戻る計画だ。ノルウェー滞在の締めくくりが最高のものとなるように準備を進めたい。

2008-08-31

Akershus Fortress

お客さんを迎えた一日。Grenoble在住のK君が北欧旅行の途中にオスロに寄って私を訪ねてくれたので、K君と奥さん、それに友人に市内をご案内した。天気は曇り時々雨。昨日までが素晴らしい快晴だっただけに、一日違いでオスロの青空をお見せできなかったのが残念である。

朝10時にNationaltheatret前で待ち合わせた。会ってすぐに奥さんに「オスロ日記、いつも見てます」と言って頂いた(^^)。意外な読者がいたりするのも、ブログの楽しみのひとつ?皆さんにビーゲラン公園(Frognerparken)、Akershus城、国立美術館(National Gallery)の順にご案内した。これぞ観光地というところはだいたいお見せできたので、満足して頂けた事を願っている。写真はAkershus城の入り口付近で撮影したもの。城の外には切り立った崖があり、上に立つとオスロフィヨルドを一望出来る。境界部分には手すりも何も無いので、一歩間違えば真っ逆さまに下に転がり落ちることに...。高い所が苦手な私には、崖の数メートル手前から覗くのが精一杯だった(>_<)。我々と近い場所でお母さんから写真を撮ってもらっている少年がいた。ちょっと照れくさそうに終始ニコニコしていて、なんとも可愛らしかった。普段外食をしないものだから、昼食の場所の選択に迷ったが、結局いつものKaffistovaにお連れした。ノルウェー料理と言えばサーモン。この一皿で約160NOK(約3200円)もするが、カフェだからレストランに入るよりは割と安めである。味の方は脂がしっかりとのっていて満足の一品だった。夕方皆さんとお別れして、宿舎に戻った。

2008-08-30

Hovedøya

快晴の土曜日。一週間分の洗濯物を洗い終えほっと一息ついていると、Andreaからメールが入ってきた。「天気が良いのでHovedøyaに散策に行かないか?」とのお誘い。Hovedøyaはオスロフィヨルド内の小さな島である。前から行ってみたかったので、もちろんオーケーの返事をした。


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12時半に地下鉄Nationaltheatletの前で待ち合わせ、海沿いの道を歩いて行くと、港に豪華客船が停泊していた。Andreaから聞いたところによると、年配の夫婦など経済的に余裕のあるものは船の一室を購入し、自分たちで所有することもあるらしい。なんともスケールの大きな話だ。Hovedøyaに行くにはVippetangenという波止場からボートに乗る。乗船時間は5分(92番)もしくは20分(93番)。我々の乗ったボートは93番だったので、他の島経由でぐるぐる大回りしたが、その分だけ船の旅を満喫した(^^)。2階部分のデッキに座ったが、空気もカラッとしていて頬に当たる潮風が心地良かった。時間帯も昼過ぎだったので、海上にはセーリングボートやクルーザー等の多くの船が出ていた。船上でランチを楽しむ人もいて、実に優雅である。

島に到着し、船着場からオスロ市街を眺めた。写真からもわかるように市街地からそれ程遠くない。島には緑があふれ、様々な植物が育っていた。牧場もあり、羊が放牧されていた。電流を流した囲い(必要あるのか?)を除けば、のどかな風景である。Hovedøyaは海水浴場があることで有名である。夏の間はオスロ市民にとって人気の海水浴スポットだ。夏も終わり水も冷たくなったが、それでもまだ海水浴客の姿が見られた。島には遺跡が存在する。12世紀に立てられた建築物(教会)で現在は壁の部分しか残っていないが、説明によると当時は多くの修道僧が教会に在籍し、この島で生活しながら修行していたそうだ。島の滞在時間は約4時間程だったが、島内を散策したり、岩の上に座って数学の話をしたり、はたまたサッカーをしたりとなかなか盛りだくさんの内容であった。夕方に島を出て、AkerBryggeの近くのピザ屋で夕食を取った後、宿舎に戻った。運動もしたし、自然とも触れ合うことができたのでなかなか良い休日だった。

2008-06-30

Homenkollbakken Ski Jump and Skimuseum

昨日の続き。国立美術館の後は郊外にあるホルメンコレン・スキー・ジャンプ台を訪れた。以前に船でオスロフィヨルドに出たとき、遠目に見ても分かるほどの白くて綺麗なジャンプ台が確認できた。今日は天気も良いのでそのジャンプ台に行ってみた。National Theatretから20分程地下鉄(1番)に乗って北西に行くとHomenkollenという駅がある。ジャンプ台はそこから歩いて15分程のところだ。まずは下から眺めることにする。近くまで寄るとさすがにその大きさを感じる。真下の池からジャンプ台に伸びるコンクリートの階段を使って上に上がったが、階段の段差がきつく風も強かったので池まで落ちそうな気がして正直少し怖かった。上は広場になっていてスキー博物館への入り口がある。ジャンプ台の頂上まで登ることは可能だが、その為には博物館への入場が必要。せっかくここまで来たので気前よく70NOK払って博物館に入ることにした。入り口からすぐのところに北極グマの剥製が置いてあり、思わず立ち止まった(結構好き)が、目的はジャンプ台頂上なので後回しにしてとにかく先を急ぐ。階段を登って2階に上がるとジャンプ台へ続くエレベーターへの入り口がある。エレベーターは途中までしか無いので、そこから先は急な階段を徒歩で登る。息を弾ませながらようやく頂上までたどり着いた。4面がガラス張りになっていて周囲を見渡すことができる。ガラスで囲まれているせいで、ガイドブックにあるほど迫力は感じなかった。むしろさっきの池から続く階段の方が迫力あった。手すりやガラスの縁には日本で最近問題になっている落書きが至る所に(!)。一通り見てみたが日本人によるものと判断される落書きは幸い無かった。しばらく上でボーッとした後に階段&エレベーターで再び博物館に戻る。夏期は20時まで開館していて、閉館までは時間もたっぷりあったのでゆっくり時間をかけて見て回ったが、これが意外に面白かった。アムンセンが南極探検で使用した装備や、南極点到達を巡りライバルであったイギリスの探検家スコットとの競争についても紹介されていた。そりを引っ張った犬の剥製も展示されていて、彼らの活躍なしではイギリスとの戦いに勝利することは出来なかったと犬達の貢献を讃えていた。彼らの競争のドラマは思わず重ね合わせてしまうほど、大問題を巡る数学者達の競争に似ている。装備(犬ぞり、毛皮服)や探検のルート、出発点の選び方が勝敗を左右するのはまったく一緒。そして時として競争の結末が人生に影響するのも。両者には共通点が多い。

2008-06-29

国立美術館

オスロは一国の首都としては小さな都市である。見どころも限られているので観光は滞在中いつでも可能との考えから今までほとんど何処にも出かけていなかった。滞在期間の約半分が経過したので、少しは観光地らしいところにも出かけてみることにした。
まずは国立美術館。11時の開館と同時くらいに入場した。日曜日ということもあってそれほど混雑もしていなかった。収蔵品で得に有名なのがムンクの「叫び」。ノルウェーをというか北欧を代表する画家なので、彼の作品の扱いは特別で専用の展示室があった。こちらに来る少し前に神戸でムンク展があったので予習に行ったが、そこで見た作品も数点展示されていた。とかく暗いイメージのある彼の作品だが、彼の晩年の作品には明るい色彩のものも多い(例えばオスロ大学の講堂の中の壁画とか)。死や不安に苦しみながらも作品を作り続け、闇から光に移っていった彼の精神の強さが作品にも表れていて、見る度に感心する。ムンク以外にもノルウェーの画家の作品が数多く展示されている。その他にもヨーロッパの有名画家の作品がその辺にゴロゴロしていているがなんと入場料は無料。私はどちらかといえば、そういう有名画家の作品よりもノルウェーの自然や風景を描いた作品の方が気に入った。それらはこの前出かけたノールフィヨルドの雄大な自然やカヤックで旅したオスロの海などを思い起こさせ、見ていて楽しかった。観光地にはつき物の日本人ツアー客の一団にも遭遇したが、年齢層が若干高い気がした。北欧はシニアに人気なのだろうか?それとも物価が高いからある程度経済的に余裕のある世代しかツアーに参加しない?私が気に入った作品で立ち止まっているといつも何故かあるアジア系の女の子と偶然一緒になった。顔立ちからして日本人では無いだろうと思ったが自信は無かった。出口で再び一緒になり、写真を取ってあげたついでに少し話したら台湾の子だった。イギリスで観光業に関する研究(?)を行っているポスドクとのこと。夏のオスロは人口のほとんどが観光客では無いかと思うくらい他所からの人が多い。

2008-06-26

税金と社会保障

先月末にこちらの税務署(Skatte Øst)から税金納付に関する通知が届いた。文面は全てノルウェー語だった為に詳しい内容はわかり兼ねたが、どうやら私の奨学金の25%を税金として納付せよと書いてあるようであった。以前ノルウェーで支給される奨学金は、基本的に課税対象にはならないと聞いていたので、すぐに奨学金の支給先に問い合わせ、税務署に直接連絡を取ってもらうようお願いした。担当の方は私の為に交渉してみるが、結果に関しては予測不可能であり、保証できないとの返事をされた。今日その結果と思われる通知が再び税務署から届いた。結果は大幅に減額されたものの、やはり奨学金からかなりの額を税金として収めよとの通知だ。

最初の通知以来、気になったので何人かの大学院生に収入に対する税金の割合について聞いてみた。博士課程の大学院生の場合は、通常奨学金(教育にも関わるので一部は給料扱い)の中から30%以上の割合の額を税金として支払うようである。こちらの奨学金は日本の奨学金と異なり、給料に近い扱いらしい。その代わり日本のように奨学金の返還義務が無いことは言うまでもない。これらの背景を考えると、私に対する税金の請求額も無理は無い気がしてきた。

この国の充実した社会福祉、医療、教育制度は国民の支払う高い税金によって支えられている。ほとんどの商品には通常11〜25%の付加価値税(VAT, 消費税に相当)が課せられている。所得税に関しても、一般会社員の場合収入の45%~50%を税金で取られる。「税金で収入の半分近くが消えてしまう」というのは事実のようだ。若いカップルや夫婦はほとんど貯金をすることができない。貯金ができなくとも、将来への不安が無いのは何故か?それは医療や教育がほぼタダだからだ。日本人のように将来に備えて貯金をする必要が無い。しかしそれには良い面もあれば悪い面もある。病気に対する備えはいらないものの、病院で診察を受けるためには予約を入れた後に通常約1週間程待たなければならない。命に関わる病気・怪我でない限りこのルールは適用される。驚くべき事に打撲や骨折のような激しい痛みを伴う怪我でも例外ではないようだ。国が異なれば、ルールも習慣も異なるのが常だが、ノルウェーは日本と全く異なる考え方・仕組みに基づいて人々が動いていることに驚かされる。

追記&訂正(7月1日): 税務署からの請求額は国民健康保険料(trygdeavgift)に関するものであった。こちらの国民健康保険は強制加入であり、一般に保険料は所得税と一緒に税請求書において給料から引かれる。請求書には所得税と保険料の合計金額(とその所得に対する割合)が記載されている。私がノルウェー語を良く理解しない為に、それが奨学金に対する税だと誤解した。奨学金給付機関の担当者の方がLikningskontoretに手紙で良く説明して下さったおかげで、奨学金は控除の対象として認められた。

2008-06-19

雨の中の遠足

サマースクール4日目の講義は午前中で終了。午後からは遠足があり悪天候の中、他の参加者と一緒にBriksdalに氷河(glacier)を見学に出かけた。Briksdalはバスに乗ってNordfjordeidから1時間半程のところにある。ノルウェー西部の天気は変わりやすい。バスに乗っている間に天候が回復する事を期待したが、願いも虚しく到着した頃は大雨になった。場所はいかにも観光地らしいところ。土産物屋の看板には日本語の表示があり、日本人観光客も訪れることが伺えた。氷河はバス停から山を40分程登った所にある。雨だけならまだ良かったが、強風が吹いた為に登っている最中折りたたみ傘が壊れてしまった。40分ちょうどで目的の氷河に到着。
天気が良ければさぞかし綺麗であったろうに残念である。記念撮影後再び歩いてバス停に戻ったが、出発時間までまだかなりあったので、その辺をぶらぶらしたり、喫茶店でお茶を飲んだりして時間を潰した。

バスでセンターに戻り夕食後、学生さん達と一緒に地元のパブに出かけた。パブには大きなテレビがありちょうどEURO 2008準々決勝ポルトガル対ドイツ戦が放映されていた。そうか、みんなはこれを見たかったのか(^^)。パブで役に立つノルウェー語をひとつ教えてもらった。「en øl (エーン、エル)」(ビールを一つ)。学生の中にはドイツ人が居たけど、みんな割とポルトガルの方を応援していたように思う。結果は3-2でドイツの勝利。話に夢中になっていて何回か得点シーンを見逃してしまった。

2008-06-15

ノールフィヨルド

今日から一週間ノールフィヨルド(Nordfjordeid)で開かれるサマースクール「幾何学における群作用と表現論」に参加する。Nordfjordeidはノルウェーの西海岸に位置する小さな町でリー環・リー群で有名なSophus Lieの生まれた町である。

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サマースクールの会場はSophus Lie Conference Center。飛行機で行けばオスロから1時間半だが、周囲の景色が美しくバスで行く方が窓からの景色を楽しめると聞いたので、オスロ大学の友人たちと一緒に10時間かけてバスで行く事にした。長旅になるので朝一時間ほど早く起きて弁当を準備した。初めてだったが、なんとかそれっぽく完成。朝9時半にオスロバスターミナルを出発。車内にトイレがあるかどうかだけが不安だったが、あることが分かりホッとする。車内でR先生の学生Christianが横に座っても良いかと聞いてきたのでOKすると嬉しそうに席を移ってきた。旅の間彼に変形理論を教えてあげる代わりにノルウェー語を教えてもらう約束をする。会話に夢中になっているうちにバスはオスロ市内を出て、気がつくとあたりには長閑な田園風景が広がっていた。天気も良く気持ちの良い青空のもとバスは軽快に進んで行く。途中牛や馬が放牧されている牧場があった。R先生の学生のAndreaは研究を始める以前にNordfjordeidの牧場で半年間働いていた経験があり、彼女から牧場での暮らしや、牛や馬の世話についていろいろ教えてもらった。
Christianは問題を解くのが好きで、ネットから数学の問題を探してきては暇な時に我々に出題する。今回もバスの中で彼の問題を一緒に考えた。彼は頭の回転が早いみたいで私が出したいくつかの問題をあっという間に解いてしまった。問題を解いたりしているうちに5時間が経過し、昼食休憩になった。外の空気を吸ったおかげで少し元気が出る。再び目的地に向かって出発。出発から7時間が経過したあたりで、山岳地帯に入る。内陸の為に山の高い所にはまだ雪が残っている。途中ところどころに大きな湖があり、バスはその縁に沿うように進んだ。湖には光の反射により山の形が正確に映し出され、まるでもう一つの山が存在するかのようである。北欧の大自然が作り出した美しい景色にすっかり魅せられ、車内から写真をとり続けた。山々のたたずまいは荘厳で気高く、犯しがたい威厳のようなものすら感じる。まだまだ紹介したい写真がいくつもあるので、このページに置いておく。良かったら見て頂きたい。バスの旅はそれからもまだ続き、夕方7時ごろに会場のセンターに到着。荷物を部屋に置いて、夕食の会場に行くと、ノルウェー料理が用意されていた。Oslo以外の他の大学Bergen, Tromso, Trondheimの学生さん達も合流し賑やかな夕食。センターにはいくつかのスポーツ施設がある。夕食後若い参加者同士でサッカーをすることになった。芝生のサッカーコートで4対4に分かれてミニゲームを楽しんだ。若者はさすがに体力がある。私は序盤から早くもバテバテ。それでもなんとか2点シュートを決めて、日本代表(?)としての責任は果たす。念入りにストレッチをしたおかげで大した怪我もなくて済んだのは良かった。

2008-05-28

ノルウェーについて思うこと(その1)

2ヶ月程生活してこの国の良い所と悪い所がだんだん見えてきた。良い所は人々が自然を愛し、家族を大事にし、ゆったりと暮らしている所。ノルウェー人の多くは裕福だと思う。給料から税金で30〜40%持っていかれ、さらにあらゆる商品に13〜25%の付加価値税が課せられていても暮らしていけるのは給料がその分多く支払われているからだ。さりとても仕事が厳しいようには思えず3〜4時には仕事を終えて家族の元に帰ってしまう。実際研究所の事務室も3時には閉まるので驚きだ。若い日本人の多くが会社で遅くまで働かされ、給料もギリギリで暮らしている事を思うと、非常に恵まれていると思う。

悪い所は仕事に対しての誠実さがもうひとつ感じられない所だ。この前の郵便受けの間違いの件で責任の所在について宿舎の窓口の人に尋ねたときも、自分のミスではないことを殊更に強調するだけで、組織全体としての責任、システムの欠陥には考えが及ばない。銀行も顧客へのサービスに問題がある。カードを送付しそれが戻ってきても、連絡を寄越さない。様々な案内もノルウェー語のみだ。日本に較べ社会の中に競争が少ない分、サービスの質が低く感じる。社会保障が充実しているから、将来に不安を感じる必要が無く、それが仕事に対してのモチベーションを下げているのかもしれない。

ノルウェーの豊かな暮らしは、自国の産出する原油輸出の利益からもたらされている。原油輸出国の中では、サウジアラビア、ロシアに次ぐ3番目の大国だ。原油を売って得た利益で国の経済が潤い、EUに加盟せず独自の通貨を用いることで他のヨーロッパ諸国との競争を避け、豊かな暮らしを維持している。今の原油高ではしばらくはノルウェーの通貨クローネが力を増すだろう。もしこの先この国の石油が枯渇したらどうなるのか?実は石油基金というものがあるらしい。原油売上による収益は将来の石油・天然ガスの枯渇に備えて、次世代の為に「政府年金基金」として積み立てられている。資金を運用し、それによって得られた利益を将来の年金基金として蓄えている。日本のように資源を持たない国にとっては羨ましい限りだ。ノルウェーはあと50年は原油を産出することを目標に掲げているが、その後どのような道をたどるかは、ノルウェーの人々の頑張り次第だと思う。